「VPNって有料じゃないと使えないと思ってたけど、無料でも使えるアプリがあるならそれでいいよね?」
…そう思った方は、ちょっと待ってください。
確かに、無料VPNは「お金をかけずにセキュリティを強化できる便利なツール」に見えるかもしれません。
でも、本当に安全かどうかを確認せずに使ってしまうと、かえってプライバシーや個人情報を危険にさらしてしまう可能性があります。
実は、無料VPNの多くは見えないところでログを収集していたり、通信速度が遅かったり、暗号化が不十分だったりと、さまざまなリスクを抱えています。
この記事では、「無料VPN 危険性」で検索する方に向けて、なぜ無料VPNが危ないと言われるのか、その理由と注意点をわかりやすく解説していきます。
安全にインターネットを使いたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 無料VPNが危険だと言われる理由
- ミネベアミツミ株式会社のVPNを利用した不正アクセス被害について
- 無料VPNで実際にあったトラブル事例
- 無料版があるおすすめのVPN

無料VPNでも安全なものはあるけど、慎重に選ぶ必要があるよ
この記事は無料VPNの危険性についてをメインで取り扱いますが、VPNを利用する際の注意点について詳しく解説している記事もあるので、こちらも併せて読むことをおすすめします。


無料VPNが危険と言われる主な理由
「無料で使えるのはありがたいけど、どうしてそんなに危険って言われるの?」
そう思った方に向けて、無料VPNに潜む代表的なリスクを4つご紹介します。
1. ログ(通信記録)を保存・売却されるリスク
多くの無料VPNは、あなたの通信データを裏で収集しています。
たとえば、どんなサイトを見たか、どんなアプリを使ったか、どこから接続したかといった「ログ情報」を記録し、第三者(広告業者など)に売って利益を得ているケースがあります。


一見“無料”に見えるVPNサービスも、実はあなたのプライバシーを対価にビジネスが成り立っていることがあるのです。
2. 通信速度が極端に遅い
無料VPNは、利用者が多いわりに提供されているサーバー数が少ないため、通信速度がかなり遅くなる傾向があります。


動画視聴やオンラインゲームでは、途中で止まったり、ラグが発生したりしてまともに使えないことも珍しくありません。
「なんか遅いな」と思っていたら、VPNが原因だったということもよくあります。
速くて快適だと評判のVPNを10個厳選した記事も用意しているので、ぜひチェックしてみてください。


3. セキュリティ対策が甘い・暗号化が不十分
VPNの本来の役割は、通信を暗号化して安全に守ることです。
しかし、無料VPNの中には暗号化レベルが低い、あるいはそもそも暗号化されていないものも存在します。
たとえば、有名なAES-256ビット暗号化は軍事レベルの強度を誇りますが、無料VPNではこの暗号方式を採用していないケースも多く、通信が第三者に傍受されるリスクが高まります。
さらに注意すべきは、VPNのセキュリティそのものが破られてしまうケースです。
2025年3月には、精密機器メーカーのミネベアミツミ株式会社が、VPNを経由した外部からの不正アクセスを受け、最大で約16万件の個人情報が流出した可能性があると発表しました。


流出の対象には、株主、従業員、取引先の氏名や住所、メールアドレス、電話番号、保有株式数などが含まれており、企業の信頼性に大きな影響を与える深刻な事件となりました。
この事件では、VPNの設定や運用体制に脆弱性があったことが原因とされており、VPNは「使えば安全」というものではなく、安全に使える環境と技術が整っているかが非常に重要であることがわかります
ミネベアミツミで個人情報最大16万件が漏えいの可能性 VPN経由の不正アクセスが原因
引用元:サイバーセキュリティラボ
ミネベアミツミ株式会社は、東証一部上場している大企業です。
そのため、無料VPNを使っているとは思えませんが、有料のVPNを利用してもこういったリスクがあるので、無料VPNの方がリスクは跳ね上がります。



不正アクセス被害などは、毎日起こっている犯罪だからこそセキュリティ性の高いVPNを選びたいわね
4. 無料の代償として“広告”や“追跡スクリプト”が仕込まれている
無料VPNは、広告表示やユーザー行動の追跡によって収益を得るモデルが一般的です。
つまり、あなたがどのサイトを見たか、どんな行動を取ったかを分析して広告表示に使うための「ターゲティング材料」にされていることも。
本来VPNはプライバシーを守るためのツールなのに、逆に情報を抜かれる側になってしまうのは本末転倒ですよね。
実際にあった無料VPNのトラブル事例
先ほどのミネベアミツミ株式会社の件は、VPNを経路に第三者がサーバーにアクセスしてしまったケースですが、今回はVPNサービス側が起こしたトラブルをいくつか紹介します。
ここから紹介するVPNは、過去に問題があったものなので、利用しないようにしてください。
1. Hola VPN|ユーザーの通信を無断で共有していた


無料VPNとして一時期人気を集めたHola VPNは、ユーザーの通信回線を他人と共有していたことが問題になりました。
知らないうちに自分の通信が悪用され、最悪の場合は違法な活動に利用される可能性もあるという非常に危険な仕組みです。
この件はテック系メディアなどで大きく取り上げられ、現在でもVPN業界の“やってはいけない事例”として語られています。
2. SuperVPN|アプリがマルウェア感染源になっていた
Android向けに提供されていたSuperVPNという無料VPNアプリは、Google Play上で1億回以上インストールされていましたが、マルウェアの温床として問題視されました。
セキュリティ企業の調査によると、SuperVPNはユーザーのスマホにバックドアを仕込み、不正アクセスや個人情報の抜き取りを可能にしていたとされています。
このアプリはその後、Google Playから削除されましたが、無料VPNが“信頼できる”とは限らないことを示す典型的な例です。
3. UFO VPN|1,000万人分のログ情報が公開状態に


「ノーログ」をうたっていたUFO VPNでは、2020年に1,000万人以上のログデータが誰でも見られる状態でネット上に放置されていたことが発覚しました。
ログには、ユーザーのIPアドレスや接続先、デバイスタイプなどセンシティブな情報が含まれており、完全にプライバシーが無防備な状態でした。
この事件は、「ノーログと書かれていても、実態はそうとは限らない」という警鐘をVPN業界に鳴らした出来事です。
無料VPNを選ぶ際の注意点
すべての無料VPNが危険というわけではありません。
ただし、リスクを避けるためには選ぶ段階でしっかりとチェックすべきポイントがあります。
ここでは、無料VPNを使う前に確認しておきたい最低限の4つのチェックポイントをご紹介します。
1. ノーログポリシーが明記されているか
信頼できるVPNサービスは「一切ログを保存しない」=ノーログポリシーをしっかりと明記しています。


逆に、ログに関して一切説明がない、もしくは「一部は保存します」と書いてある場合は要注意。
あなたの行動履歴がどこかで記録されているかもしれません。
2. プライバシーポリシーや運営元が公開されているか
VPNを提供している企業の運営会社名、所在地、連絡先が明記されているかをチェックしましょう。


正体が不明な企業が提供するVPNは、情報を抜き取っても責任を取らない可能性があります。
特に中国やロシアなど、情報規制の強い国を拠点にしているVPNは慎重に判断しましょう。
3. 暗号化方式やセキュリティ仕様の説明があるか
安全に通信するためには、VPNの暗号化技術(AES-256など)が重要です。
何も説明されていないVPNは、最悪の場合暗号化されていない通信になっていることも。
公式サイトやアプリページにプロトコルやセキュリティ仕様が記載されているかを確認しましょう。
4. 広告収入型・制限つき無料プランであることを理解する
信頼できる無料VPNは、基本的に「有料版のお試し」として一部機能が使えるタイプです。
完全無料で無制限に使えるVPNは、その裏でユーザー情報を収集してマネタイズしている可能性が高いです。
制限がある代わりにセキュリティがしっかりしている「ProtonVPN」や「TunnelBear」など、有料への移行を前提とした透明性のあるVPNを選ぶのが安心です。
安全性・信頼性で選ぶなら有料VPNがおすすめ!
無料VPNを選ぶ際の注意点を理解していただいたうえで、「やっぱり安心して使いたい」「セキュリティも速度も妥協したくない」という方には、有料VPNの利用をおすすめします。
ここでは、無料VPNと有料VPNの違いをわかりやすく比較した表を用意しました。
無料VPNと有料VPNの違いを比較
無料VPNと有料VPNの違いは以下の通り
項目 | 無料VPN | 有料VPN |
---|---|---|
料金 | 0円 | 月額300〜1000円前後 |
通信速度 | 遅い〜普通 | 高速・安定 |
セキュリティ | 弱い or 不明確 | 強力な暗号化(AES-256など) |
プライバシー保護 | ログ収集の恐れあり | ノーログポリシーが明記 |
サポート体制 | 基本なし | 日本語対応・チャットサポートあり |
広告表示 | あり | なし |
無料トライアルありで始めやすいおすすめVPNサービス
無料でまずは試してみたいという方におすすめのVPNは以下の4つです。
完全無料で全ての機能が使えるのは筑波大学が提供しているVPN Gateでしょう。
VPNサービス名 | 特徴 |
---|---|
VPN Gate (筑波大学プロジェクト) | 筑波大学が研究目的で提供している完全無料のVPNサービス。 教育機関が提供しているので信頼性も高い |
![]() ![]() NordVPN | 30日間の返金保証あり。 速度・セキュリティ・使いやすさすべてに優れた定番VPN。 |
![]() ![]() Surfshark | 無制限の同時接続が可能でコスパ◎。 広告ブロック機能も搭載。 |
![]() ![]() ProtonVPN | 無料プランあり。 スイス拠点の高プライバシー設計で信頼性が高い。 |
どのサービスも無料トライアルや返金保証があるので、「とりあえず試してみる」という気軽なスタートが可能です。
無料VPNのリスクを避けたい方は、有料VPNの導入をぜひ検討してみてください。
完全無料で利用可能なVPNに関しては、以下の記事でも解説しています。


無料VPNに関するよくある質問
ここでは、「無料VPNは危険なの?」「どれなら安全なの?」といったよくある質問にお答えします。
無料VPNは絶対に使ってはいけないんですか?
すべての無料VPNが危険とは限りませんが、信頼性の低いVPNを選ぶと高リスクです。
運営会社がはっきりしており、ノーログポリシーや暗号化方式が明記されたVPNを選びましょう。
広告が多い無料VPNって危険ですか?
無料VPNの多くは広告収入で運営されているため、広告表示自体は珍しくありません。
ただし、ユーザーの行動を追跡して広告を出すタイプは、プライバシーの観点でリスクがあると言えます。
無料VPNを使っていても自分では気づかないうちに情報が漏れることはある?
暗号化が不十分だったり、ログを勝手に記録・送信されていたりする場合、本人の知らない間にデータが外部に渡っていることもあります。
安全な無料VPNってあるの?
一部には信頼できる無料VPNも存在します。
例えばProtonVPNは、無料プランでもノーログ・無制限通信を提供しており、セキュリティと透明性に優れています。
ただし、機能制限があるため、本格的に使うなら有料版への移行も検討しましょう。
有料VPNの方がいいの?
「速度・安全性・快適さ」すべてを求めるなら、有料VPNの方が確実に安心です。
月300〜500円でプライバシーを守れるなら、コスパは決して悪くありません。
無料VPNを使う前にリスクも理解しておこう!
無料VPNは手軽に使えて便利な反面、ログの収集・通信速度の遅さ・セキュリティの不備など、見えないリスクが潜んでいるのも事実です。
実際に、過去にはユーザーの通信情報が漏洩したり、マルウェアが仕込まれていたりといったトラブルも起きており、「無料だから安全とは限らない」ことがわかります。
もちろん、ProtonVPNのように信頼できる無料プランを提供しているサービスもありますが、選ぶ側が正しい知識を持つことが何より大切です。
セキュリティやプライバシーを本気で守りたいなら、有料VPNの導入もぜひ検討してみてください。
月数百円で、安心・高速・ノーログの環境を手に入れることができます。
あなたのネット環境を守るために、「無料だから」ではなく「信頼できるから」選ぶ。
そんなVPNの選び方が、これからのスタンダードです。