中国に滞在する際、SNSや検索エンジンが使えず戸惑った経験はありませんか?
中国では厳格なインターネット規制が敷かれており、LINEやInstagram、Googleといった多くの海外サービスが利用できません。
そこで必要になるのがVPN(仮想プライベートネットワーク)です。
この記事では、中国でも安全・快適にインターネットを使うために欠かせないVPNの選び方や注意点、最新の規制事情までを徹底的に解説します。
- なぜ中国でVPNが必要なのか?その背景と規制の仕組み
- 中国で使えるおすすめVPN7選(2025年最新情報)
- 無料VPNのリスクと利用時の注意点
- VPN利用における法的リスクとその回避方法
- 中国渡航前に準備すべきVPNの設定手順とポイント

中国で使えるおすすめのVPNを紹介するよ!
コスパが良いサービスばかりなので中国渡航前に契約することをおすすめするよ。
サービス名 | 月額料金(最安) | 中国での安定性 | 日本語対応 | 無料お試し/返金保証 |
---|---|---|---|---|
![]() ![]() MillenVPN | 638円~ | 良 | 完全対応 | 30日間返金保証 |
![]() ![]() ExpressVPN | 約720円~ | 良 | アプリ日本語対応 | 30日間返金保証 |
![]() ![]() かべネコVPN | 880円~ (ポイント制) | 可 | 完全対応 | 無料プランあり |
![]() ![]() UCSS | 約4,200円~ (中国向けプラン) | (Shadowsocks対応) | 良(日本語ガイドあり) | 非対応無料体験あり |
![]() ![]() SUIKA VPN | 878円~ | 良 | 完全対応 | 3日間無料体験 |
![]() ![]() NordVPN | 440円~ | (条件付き) | 可一部対応 | 30日間返金保証 |
![]() ![]() Surfshark | 368円~ | 可 | 一部対応 | 30日間返金保証 |
なぜVPNが中国で必要なの?利用の背景と規制事情
中国では「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる仕組みによって、Google検索やYouTube、LINEなど多くの海外サービスがブロックされています。
このような制限を回避し、普段通りにインターネットを使うにはVPNが不可欠です。
VPNを利用すると、通信が暗号化され、中国国外のサーバー経由で接続できるようになります。
特にビジネスや留学、旅行での滞在中は、メールやSNS、オンライン会議へのアクセスが欠かせません。
ただし、すべてのVPNが使えるわけではなく、無許可のサービスは遮断対象になることも。
VPN選びでは「中国での接続実績」や「法的リスク」をしっかり確認する必要があります。
中国のインターネット規制「グレート・ファイアウォール」とは?
「グレート・ファイアウォール(Great Firewall)」とは、中国政府が導入している大規模なインターネット検閲システムの通称です。


正式名称は「金盾(Golden Shield Project)」で、2000年代初頭から本格的に運用が開始されました。
このシステムは、国外とのインターネット通信を監視・制御し、中国国内からアクセスできる情報を制限するためのものです。
金盾は、以下のような技術が組み合わされて運用されています。
- DNSフィルタリング
-
特定のドメイン名を遮断
- IPブロッキング
-
特定のサーバーへの接続を拒否
- URLフィルタリング
-
URL内の特定語句によってアクセスをブロック
- パケット検査(DPI)
-
通信内容を解析し遮断
このような仕組みにより、中国国内からはGoogle、YouTube、Facebook、Twitter、Instagramなどの主要な海外サービスが利用できなくなっています。
また、一部の報道機関や情報サイトも対象となっており、外部の政治的・社会的情報へのアクセスが強く制限されています。
興味深いのは、こうした検閲が動的に行われている点です。
時期や情勢に応じて規制の強度が変化するため、以前は使えたVPNやサービスが急に使えなくなるケースもあります。
そのため、常に最新の情報を元に行動することが大切です。
この規制によって具体的にどのようなサービスが使えないのか、主要なサイトやアプリを一覧でご紹介します。
中国でアクセス制限されているサイト・アプリ
中国国内では、政府のインターネット規制により、世界的に利用されている多くのサイトやアプリがブロックされています。
以下は、2025年現在、中国でアクセス制限されている代表的なサイト・アプリの一覧です。
カテゴリ | サービス名 |
---|---|
検索エンジン | Google(Google検索、Googleマップ、Google翻訳 など)、Yahoo! |
メール | Gmail、Yahoo!メール |
動画・ストリーミング | YouTube、Twitch、Netflix、Disney+、Amazon Prime Video |
SNS・メッセージ | LINE、Facebook、Instagram、Twitter、Messenger、WhatsApp |
クラウドサービス | Dropbox、Google Drive、OneDrive |
ニュースサイト | BBC、ニューヨーク・タイムズ、Reutersなど多数 |
AIツール | ChatGPT、Gemini、Claudeなど |
日本人だけでなく、世界中の人たちが日常的に使用しているWEBサービスはほとんど利用できないですね・・・
特に検索エンジンやAIが使用できないとなると、わからないことをリサーチするのも一苦労してしまいます。
また、LINEやInstagramなどのSNSが使えないことで、家族や友人との連絡手段が断たれてしまう可能性もあります。
繰り返しとなりますが、普段通りのネット環境を確保するために、VPNの導入は非常に重要です。
ビジネス・留学・旅行でのVPNの必要性
中国でのインターネット規制は、滞在目的に関係なく大きな影響を及ぼします。
それぞれのシーンでVPNは欠かせない存在です。
目的別でVPNを利用しないと使えなくなってしまうサービスをまとめました。


利用目的 | 必要となる理由 | 制限される主なサービス |
---|---|---|
ビジネス | メール送受信、Web会議、クラウド共有が必要 | Gmail、Googleドライブ、Zoom、Slack など |
留学 | 学術情報の検索、日本の家族との連絡 | Google検索、LINE、Instagram、YouTube |
旅行 | 地図や翻訳アプリ、SNSの利用 | Googleマップ、Google翻訳、Instagram、Facebook |



LINEが使えない時点でVPNの使用は必須だと言えるね・・・
- 日本の顧客や家族と連絡が取れなくなる
- 業務連絡やオンライン会議が困難に
- SNS投稿や動画閲覧が制限され、情報発信できない
- 現地の地図や翻訳が使えず、行動が制限される
中国でVPNがつながらない原因とリスク
VPNの申し込みをして、「さぁ安心だ」と中国にいざ到着したら繋がらなかったということもたまにあります。
繋がらないと原因をGoogle検索することもできないので、苦労します。
- VPNサーバーが中国のファイアウォールにブロックされている
-
定期的にVPN接続先のIPが検出・遮断されており、特に無料VPNは標的になりやすいです。
- 通信プロトコルが検閲対象になっている
-
PPTPなど古いプロトコルは検出されやすく、OpenVPNやWireGuardが推奨されます。
- スマホやPCの設定が不完全
-
サイドロードやDNS設定が不十分な場合、接続できないことがあります。
- 滞在エリアのネット環境が不安定
-
ホテルや空港など公共Wi-Fiでは接続が制限されているケースもあります。
中国で使えるおすすめVPN7選
ここからは、筆者がおすすめする中国で利用可能なVPNを7つ紹介します。
それぞれの特徴も紹介するので、検討の際の材料にしてみてください。
MillenVPN|日本人向け特化型の安定VPN


MillenVPNは、株式会社アズポケットが提供する日本発のVPNサービスで、中国からの接続にも強いと評判のVPNです。
日本国内に本社を構える企業が運営しているため、日本語サポートが充実しており、初心者でも安心して使えるのが特徴です。
- 中国向けの特別ルートサーバーを用意しており、接続成功率が高い
- 日本語対応の公式サイト・サポート窓口で安心
- 30日間の返金保証付きで、まずはお試し可能
- OpenVPNやIKEv2に対応し、高いセキュリティと安定性を実現
MillenVPNの料金プラン(2025年6月時点)
プラン | 料金 | 備考 |
---|---|---|
7日間プラン | 638円 | 短期旅行者におすすめ |
15日間プラン | 1,078円 | |
1ヶ月プラン | 1,738円 | 短期留学におすすめ |
1年プラン | 594円/月 | 長期滞在・留学に最適 |
2年プラン | 396円/月 | 一番コスパの良いプラン |
MillenVPNは日本人の中国滞在者に特化した安定した選択肢で、LINEやYouTube、Googleサービスも問題なく使えるという報告が多数あります。
中国渡航前に必ずインストールしておくのがおすすめです。
ExpressVPN|高速&高信頼のグローバルVPN


ExpressVPNは、世界中で高評価を受けているグローバルVPNの定番サービスで、中国からのアクセスにも非常に強いことで知られています。
特に通信速度と接続の安定性に優れ、中国の厳しい検閲を回避する技術力はトップクラスです。
- 香港や日本など近隣国に高速サーバーを多数設置
- 独自プロトコル「Lightway」による高速接続
- アプリが完全日本語対応&操作が直感的
- 中国国内でも繋がりやすい実績あり
ExpressVPNの料金プラン(2025年6月時点)
プラン | 料金 | 備考 |
---|---|---|
1ヶ月プラン | 約1,800円 | 短期旅行者向け |
1年プラン | 約960円/月 | 日常的に使用する人向け |
2年プラン | 約720円/月 |
ExpressVPNは、接続速度・安全性・ユーザー満足度のバランスが非常に高いため、ビジネスユーザーや長期滞在者にもおすすめです。
初めてVPNを使う方でも迷わず操作できる設計なので、初心者にも人気があります。
かべネコVPN|コスパ最強のポイント制VPN


かべネコVPNは、日本人向けに開発されたサービスで、中国のネット規制にも強く対応できるVPNとして注目されています。
最大の特徴は、ポイント制料金モデルを採用している点で、使用頻度に応じて費用を抑えられるのが魅力です。
- 中国に特化したサーバーと接続ルートを提供
- プリペイド型のポイント制で無駄がない
- 日本語完全対応の操作画面とサポート
- 最長21日間の無料版(お試し)ありで初心者も安心
- 使わない日はポイントを消費せずに持ち越し可能
かべネコVPNのポイント制料金例(2025年6月時点)
ポイント数 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
140ポイント | 0円 | 約14日間 旅行利用なら無料お試しでもOK |
310ポイント | 880円 | 約1ヶ月〜1.5ヶ月 |
920ポイント | 2,340円 | 約3ヶ月〜4.5ヶ月 |
1840ポイント | 3,480円 | 約6ヶ月〜9ヶ月 |
3660ポイント | 5,760円 | 約12ヶ月〜18ヶ月 |
※料金プランは変更になる場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
通信の安定性や速度も高評価で、日本のストリーミングやSNSへの接続もスムーズ。
費用対効果を重視する方にとっては、非常にバランスの取れた選択肢と言えるでしょう。
UCSS|Shadowsocks対応で安定性抜群


UCSS(Unicom Community Shadowsocks Service)は、中国の規制を回避するために設計されたShadowsocksプロトコルを標準搭載し、安定した接続環境を提供するVPNサービスです。
技術者や中・上級者向けのツールですが、日本語ガイドも豊富にある点が魅力です。
- Shadowsocks対応で検閲回避に強い
- 高速・安定通信を追求した専用回線
- 複数のプロトコルに対応(Shadowsocks、OpenVPN 等)
- 日本語インストールガイド・設定マニュアルあり
UCSSの料金プラン(2025年6月時点)
プラン | 料金 | 備考 |
---|---|---|
1ヶ月プラン | 約4,200円 | 中国利用を前提とした格安プラン |
プラン | 料金 | 備考 |
---|---|---|
3ヶ月プラン | 約5,200円 | 長期滞在におすすめ |
12ヶ月プラン | 約15,500円 |
USCCは他のVPN業者と比べると金額が高めに設定されています。
これは、Shadowsocksという検閲に強いプロトコルに対応しているからです。
中国のことを悪くいうつもりはありませんが、検閲されている可能性は十分に考えられます。
ビジネスで中国を訪れるという方は、機密情報を扱う可能性もあると思うので、USCCのShadowsocksの利用がおすすめです。
やや技術的な設定が必要ですが、安定性と速度重視のユーザーにとっては非常に頼もしい選択肢です。
SUIKA VPN|日本語対応と高速通信が魅力


SUIKA VPNは、日本語に完全対応しつつ、中国からの接続に強いVPNとして、近年注目を集めているサービスです。
中国に特化した構成がなされており、旅行者から長期滞在者まで幅広いユーザーに対応しています。
- 中国専用サーバーを備えており、高確率で接続成功
- 完全日本語対応のアプリとWebサイトで初心者も安心
- 無料3日間トライアルありで気軽にお試し可能
- Windows/Mac/Android/iOS対応でマルチデバイス利用可
SUIKA VPN料金プラン(2025年6月時点)
プラン | 料金 | 備考 |
---|---|---|
1ヶ月プラン | 1,097円 / 月 | 短期利用におすすめ |
3ヶ月プラン | 1,048円 / 月 | |
6ヶ月プラン | 988円 / 月 | 中期滞在に最適 |
1年プラン | 938円 / 月 | コスパ重視ならこれ |
2年プラン | 878円 / 月 |
実際のユーザーからも、「LINEやYouTubeが問題なく使えた」「アプリが分かりやすい」と高評価が寄せられています。
日本語サポート+高安定性という点で、中国滞在初心者にもおすすめできるVPNです。
NordVPN|世界中で利用される定番VPN


NordVPNは、パナマに本拠を置くグローバルVPNサービスで、世界60か国以上にサーバーを持ち、約1億人以上のユーザーに利用されています。
強力なセキュリティと高速通信を兼ね備えており、中国からの接続にも一部で対応しています。
- 強力な暗号化技術(AES-256)で安心の通信保護
- 世界中に6,000台以上のサーバーを展開
- ノーログポリシーとKill Switchでプライバシーを徹底保護
- 中国から接続するには手動設定が必要
NordVPN料金プラン(2025年6月時点)
プラン | 料金 | 備考 |
---|---|---|
1ヶ月プラン | 約1,690円~ | 短期滞在向け |
1年プラン | 約650円~/月 | コスパ良好 |
2年プラン | 約440円~/月 | 長期滞在に最適 |
注意点として、中国からの接続には専用の設定やObfuscatedサーバーの利用が必要なため、初心者にはややハードルが高い面もあります。
ただし、一度設定すれば高速かつ安全な通信が可能です。
Surfshark|コスパ重視の無制限接続VPN


Surfsharkは、オランダに本社を置く急成長中のVPNサービスで、コストパフォーマンスの高さとデバイス無制限接続が大きな魅力です。
中国での動作報告もあり、特定の設定を行うことで接続可能となるケースが多いです。
- 1契約でデバイス無制限に接続可能
- CamouflageモードでVPN使用を隠せる
- CleanWeb機能により広告・マルウェアをブロック
- 日本語UIに対応し、初心者でも使いやすい
Surfsharkの料金プラン(2025年6月時点)
プラン | 料金 | 備考 |
---|---|---|
1ヶ月プラン | 約1,750円 | 短期利用に |
1年プラン | 約590円/月 | 中期利用におすすめ |
2年プラン | 約368円/月 | 最安コース |
中国での利用には手動での設定やステルスモード(Camouflage)の活用が前提となるため、若干の知識が必要ですが、慣れてしまえばコスパ最強の選択肢とも言えます。
中国で無料VPNは使える?安全性とおすすめ候補
「できれば無料でVPNを使いたい…」そう考える方も多いかもしれません。
しかし、中国では無料VPNの多くが機能しない、もしくは非常に不安定であるのが現実です。
グレート・ファイアウォールの技術は日々進化しており、無料サービスでは太刀打ちできないことも珍しくありません。
まずは、なぜ無料VPNが中国で機能しにくいのか、その理由から見ていきましょう。
無料VPNが中国で使えない理由
一部の無料VPNは、日本や欧米では問題なく使えるものの、中国のインターネット検閲システムにはほとんど対応できません。
- 高度な検閲回避技術に対応していない
-
グレート・ファイアウォールは通信内容を検出・遮断する技術を使っており、簡易的なVPNではブロックされてしまいます。
- サーバー数・接続先が限定的
-
無料VPNは運営コストの関係でサーバーが少なく、中国からの接続が不安定になります。
- 通信速度が非常に遅い
-
多くのユーザーが殺到する無料サーバーは常に混雑し、動画や通話に耐えられないことが多いです。
- 技術的なサポートが受けられない
-
接続に問題があっても、問い合わせ対応やFAQが充実していないことが多く、解決が難しいです。
このように、無料VPNは中国の特殊なネット環境においては「つながらない」「遅い」「不安定」の三重苦になりがちです。
使える可能性はゼロではありませんが、信頼性を求めるなら有料VPNの無料トライアルを活用するのが現実的な選択と言えるでしょう。
無料VPNのリスクとセキュリティ問題
無料VPNは「タダで使える」という魅力がある一方で、重大なセキュリティリスクを伴うことがあります。
特に、中国のようにネット監視が強化されている国では、VPNの安全性が非常に重要です。
- 個人情報の漏洩
-
一部の無料VPNは、ユーザーの閲覧履歴やIPアドレスなどのデータを収集し、第三者に販売している可能性があります。
- マルウェアの混入
-
無料VPNアプリの中には、広告やウイルス、スパイウェアを仕込んでいるものも存在します。
- ログポリシーが不明瞭
-
通信記録(ログ)を保存しているか明示されていないサービスでは、通信内容が監視されている危険性があります。
- 接続の安定性と暗号化の質が低い
-
暗号化レベルが不十分なVPNでは、第三者に通信内容を傍受されるリスクもあります。
過去には、有名な無料VPNがユーザーデータを無断で収集・販売していた事例や、アプリにマルウェアが含まれていたという報道もあります。
無料であることを理由に、セキュリティが犠牲になっているケースは少なくありません。
安全なVPNを選ぶには、「ログを残さない(ノーログポリシー)」「暗号化技術の明示」「実績のある開発元」といった点を重視しましょう。
VPNネコは使えるの?
App StoreやGoogle Playでよく見かける無料VPNアプリの代表格が「VPNネコ」です。
シンプルで可愛いデザインと日本語対応が特徴ですが、中国での利用やセキュリティ面には注意が必要です。
- 中国からの接続には非対応
-
VPNネコは公式に「中国での動作を保証していない」と明記しています。
実際、多くのユーザーが中国で接続できなかったと報告しています。
- 通信の暗号化技術が不明
-
セキュリティポリシーや暗号化方式が不透明であり、通信内容が安全に保護されているとは限りません。
- 運営元の信頼性が微妙
-
開発元の情報が非常に少なく、会社の所在地や運営ポリシーが明示されていない点も懸念されます。
これらのリスクを踏まえると、中国滞在中に無料VPNを使うことは安全性・安定性の両面からおすすめできません。
一見お得に見えても、個人情報流出や接続不可のリスクを抱えることになります。
安全に中国から接続するには、無料で試せる有料VPN(返金保証付き)を活用するのが現実的な選択肢です。
VPNは中国で違法?法的リスクと最新情勢
「中国でVPNを使っても大丈夫なの?」と心配する声は少なくありません。
実際、中国ではVPNに対して厳しい規制がある一方で、外国人による利用はグレーゾーンというのが現状です。
VPN利用の法的な立場・過去の取締事例・規制の傾向などを通して、リスクとその回避法を紹介します。
中国におけるVPNの法的立場について詳しく見ていきましょう。
中国でVPN使用は完全違法ではないが注意が必要
中国ではVPNに関する法律が存在し、中国政府の認可を受けていないVPNサービスの提供や利用は原則として禁止されています。
しかし、この法律の適用は主に「VPN業者」や「中国国内企業」に向けられており、外国人個人によるVPN利用に関しては明確に違法とされているわけではありません。
- 2017年「サイバーセキュリティ法」施行
-
国外との通信にVPNを使う行為は、国の許可がない限り違法と明記
- 通信事業者に対する規制強化
-
VPNトラフィックを検出・遮断するための監視システムを導入
- 公共機関・企業には利用制限
-
教育機関や企業では、公認VPNの使用のみが許可されるケースあり
多くの外国人ビジネスマンや留学生がVPNを使用しているにもかかわらず、外国人個人がVPNを使ったことで処罰された例はほとんど報告されていません。
ただし、国の情勢や規制強化の時期によっては、取り締まりが一時的に強まる可能性もあるため、注意が必要です。
VPNでの過去の逮捕事例
中国でVPN関連の摘発が報道されることがありますが、多くはVPNサービスを「提供・販売」していた中国国内の個人や業者が対象となっています。
個人の利用が原因で逮捕されたケースは非常にまれです。
- 2017年広東省の男性が懲役刑
-
独自にVPNソフトを開発・販売し、数千人に提供していたとして3年の懲役刑を受けた。
- 2019年VPN販売業者が摘発
-
正規の許可なくVPN接続サービスを販売し、違法経済活動と判断された。
対象 | 理由 |
---|---|
VPN開発者 | 政府の許可なくVPNソフトを配布・販売した |
業者・代理販売者 | 商用利用で利益を得ていた |
法人・企業 | 社内で未認可VPNを使用していた |
中国でVPNを設定・接続する方法と注意点
中国でVPNをスムーズに使うためには、事前の準備と適切な設定が重要です。
現地に入ってからではアプリのダウンロードができなかったり、設定に苦労したりするケースが多いため、日本出発前の対策が鍵となります。
ここからは、VPNの準備から接続トラブルへの対処法まで紹介します。
中国渡航前にVPNアプリをダウンロードした方が吉!
中国に入国してからでは、多くのVPNアプリがApp StoreやGoogle Playからインストールできなくなるという情報がありました。
私が中国を訪れた2015年には、VPNアプリは問題なくインストールできましたが、先ほど紹介し2017年に施行されたサイバーセキュリティ法の影響で現在はできなくなっているそうです。
iOS端末であれば、Appストアに接続することはできますが、Androidの場合は、VPNなしではそもそもGooglePlayStoreにもアクセスできません。
なので、必ず中国に渡航する前に以下の準備を行なっておきましょう。
項目 | 推奨内容 |
---|---|
VPNアプリのインストール | 使いたいVPNアプリをすべてダウンロードし、動作確認しておく |
ログイン情報の保存 | ID・パスワード・アクティベーションコードを控えておく |
設定マニュアルの入手 | 公式サイトの手動設定ガイドをPDF保存しておくと安心 スクショでもOK |
また、VPNを複数契約しておくとさらに安心です。
例えば、渡航する前に2つのVPNサービスで無料お試しプラン等に加入しておいて、渡航後問題なく接続できたら1つを解約するなどがおすすめです。
VPNのサイドロード方法(Android)
中国ではGoogle Playがブロックされているため、Android端末ではVPNアプリを「サイドロード」する必要があります。
サイドロードとは、Playストア以外から直接APKファイルをインストールする方法です。
- VPN公式サイトまたは信頼できるサイトからAPKファイルをダウンロード
- スマホの設定で「提供元不明のアプリのインストール」を許可する
- ダウンロードしたAPKファイルをタップし、インストールを実行
- インストール完了後、ログインして接続テストを行う
- 必ず公式または信頼できる配布元からAPKを入手すること(不正アプリやマルウェアの危険あり)
- セキュリティアプリによる警告が出る場合は、内容を確認して対応
- 設定→「セキュリティ」→「不明なアプリのインストール」の場所は機種によって異なる
VPNによっては、インストール手順を日本語で案内しているページがあります。
渡航前にそのURLをブックマークしておくと、現地でトラブルが起きても対処しやすくなります。
ただ、VPNに接続していないとブックマークしたページも開けないこともあるので、PDF化やスクショで保存しておくのがいいでしょう。
VPNの手動設定方法(OpenVPN・WireGuard)
一部のVPNはアプリを使わずに、OpenVPNやWireGuardといったプロトコルを使って手動で接続することが可能です。
VPNアプリがブロックされる状況でも接続可能な方法なので覚えておいて損はないでしょう。
- VPN提供元のサイトから.ovpn構成ファイルをダウンロード
- 「OpenVPN Connect」アプリをインストール(Android/iOS対応)
- アプリ内で.ovpnファイルをインポート
- ユーザー名・パスワードを入力し接続
- VPN提供元からWireGuard設定ファイル(.conf)を入手
- 「WireGuard」アプリをインストール(Android/iOS/PC対応)
- アプリで設定ファイルを読み込み、「トンネル」を作成
- 「接続」をタップで通信開始
プロトコル | 特徴 | 向いている場面 |
---|---|---|
OpenVPN | 高い互換性と信頼性 | 安定性重視・中国で実績多数 |
WireGuard | 軽量・高速・省バッテリー | 通信速度重視・新しい端末 |
手動設定はやや手間がかかりますが、VPNアプリが使えない状況での強力な回避手段になります。
構成ファイルや認証情報は事前にメールやクラウドでバックアップしておくと安心です。
VPNが繋がらない場合の対処法
中国でVPNが急につながらなくなった、接続できないといったトラブルは珍しくありません。
原因は通信規制の強化やサーバーの遮断、設定ミスなどさまざまです。
以下に、よくある原因と対処法をまとめました。
原因 | 対応策 |
---|---|
VPNサーバーがブロックされている | 他のサーバーに切り替える、または別プロトコル(OpenVPNなど)に変更 |
通信規制の強化期間(大会・政治イベントなど) | 時間帯をずらす、一時的に代替VPNを使う |
アプリやOSのバージョン不一致 | VPNアプリやOSを最新バージョンにアップデート |
Wi-Fiネットワーク側の制限 | 別のWi-Fiやモバイルデータ通信で再接続 |
キャッシュや設定の不具合 | VPNアプリを一度削除して再インストール |
- VPNアプリを再起動し、異なるサーバーに接続してみる
- プロトコル設定を「自動」から「OpenVPN」「IKEv2」「WireGuard」などに切り替える
- スマホやPCを再起動してネットワーク設定をリセット
これらの対策でも解決しない場合は、公式サイトのサポートやFAQを確認し、サポート窓口に連絡してみましょう。
信頼できるVPNサービスであれば、日本語サポートがあるケースも多く安心です。
中国滞在時のVPNに関するよくある質問
中国でVPNを利用するにあたっては、料金・契約場所・対応デバイス・安全性・返金保証など、さまざまな疑問が浮かびます。
特に多く寄せられる質問をピックアップし、わかりやすく回答していきます。
中国で使える最安のVPNは?
VPN選びで重視されるのが「料金」です。特に短期滞在や一時的な利用の場合、コストを抑えながらも中国でしっかり使えるVPNを選びたいところです。
最安値だけで選ぶと、接続の不安定さやサポートの質が犠牲になる可能性もあります。
特に中国では、実績のあるVPNを選ぶことが重要です。
「安さ」と「中国での実績」のバランスを取りたい方には、かべネコVPNやMillenVPNが特におすすめです。
VPNはどのデバイスに対応している?
ほとんどのVPNは以下のようなデバイスに対応しています。
- スマートフォン:iOS / Android
- パソコン:Windows / macOS
- タブレット:iPad / Androidタブレット
- ゲーム:Switch、PS5など
- その他:Linux、Fire TV Stick、ルーター(対応モデル)
1契約で複数デバイスに同時接続できるVPNも多く、旅行や出張先での使い分けにも便利です。
中国利用でおすすめしないVPNは?
結論から「VPNネコ」と「良之助VPN」はおすすめできません。
- VPNネコ
-
可愛いUIが特徴の無料VPNですが、中国からの接続は非対応。接続できない、遅いとの声多数。
- 良之助VPN
-
日本語対応だが、接続の安定性・速度ともにムラがあり、中国向けとしては信頼性が不足。
中国での確実な接続を求めるなら、有料で実績のあるVPN(MillenVPN、SUIKA VPNなど)を選ぶのが安心です。
VPNの返金保証をうまく使う方法は?
ポイントは「渡航直後に使い始めて、保証期間内に判断」することです。
- 多くのVPNは30日間の返金保証付き(例:ExpressVPN、NordVPN、MillenVPN)
- 中国に着いたらすぐに接続テストを行い、速度や安定性を確認
- 満足できない場合は、カスタマーサポートから簡単に解約申請が可能
複数のVPNを試して、自分に合うものだけを残す使い方が最も効率的です。
中国滞在中はVPNが必須!安全かつ確実な選択を
繰り返しとなりますが、中国では、グレート・ファイアウォールによりGoogleやLINE、Instagramなど多くのサービスが利用できなくなります。
この規制を回避し、普段通りにネットを使うにはVPNが欠かせません。
- 中国ではサイバーセキュリティ法によりVPNの開発・販売に規制があるが、個人の利用はグレーで黙認されている
- 無料VPNはほとんど使えないうえ、情報漏洩などのリスクが高く、中国では避けるべき
- 確実に接続できるVPNを使うには、渡航前に日本で契約・インストールしておくことが必須
- VPNの設定にはトラブルもあるため、サポート体制や日本語ガイドが整ったVPNを選ぶと安心
- MillenVPN、SUIKA VPN、かべネコVPNなどは、コスパ・信頼性・日本語対応のバランスが優秀
- 返金保証を活用すれば、複数のVPNを試して自分に合うものを見つけやすい
中国でのVPN選びは「安さ」よりも「信頼性」「実績」「サポート体制」を重視することが大切です。
短期滞在なら返金保証付きのVPN、長期滞在なら日本語対応&安定性重視のVPNを選ぶと失敗しません。
中国滞在を快適・安全に過ごすためにも、VPNは「出発前の準備リスト」に必ず入れておきましょう。